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コピルアクとは?インドネシアの超高級コーヒーとジャコウネコの関係

コーヒー豆

 

2018.09.22

「コピルアク」というコーヒーを聞いたことはありますか?コピ・ルアクとは、インドネシアで産出される超高級コーヒーの一種で、そのお値段はなんと、1杯8,000円とも言われます。なぜこれほど高価なのでしょうか。やはり美味しいから…?

実はコピルアクが高値で取引されているのは、味よりも希少価値が大きな原因です。産地インドネシアで「コピ」はコーヒー、「ルアク」はジャコウネコという意味を持ちます。「コピー・ルアーク」「コピ・ルアック」「ルアック・コーヒー」などと呼ばれることも。

いずれにせよ、コーヒーなのにジャコウネコとは、なんとも奇妙なネーミング。一体なぜ…?「表現できない味」とも表現されるコピルアク。なんともミステリアスなコピルアクの謎を、徹底的に追いました。

コピルアクとジャコウネコの関係とは

インドネシア産の高級コーヒー豆「コピルアク」は、なんとジャコウネコの排泄物から取られるコーヒー豆。そのため「コピルアク」といいます。麝香(じゃこう)と呼ばれる香料のもとを分泌するため、ジャコウネコと名付けられました。

ジャコウネコは、いわゆるネコよりも原始的な祖先を持ち、森林や草原に生息しています。体長は60cmほどで、その見た目はネコというより、イタチに近いかもしれません。

インドネシアのコーヒー農園では、成熟したコーヒー果実が、野生のマレージャコウネコに食料とされています。このとき果肉は消化されますが、種は未消化の状態でウンチと一緒に排泄されます。これをよく洗って乾燥させたのち、焙煎したものがコピルアクです。

排泄物とは言っても、そもそもジャコウネコは果実しか食べないので、全然臭くないそうです。見た目はピーナッツによく似ています。洗浄された豆は、手作業でひとつひとつ皮をむきます。この手間も、高級豆たる理由のひとつかもしれませんね。

コピルアクはどんな味がするのか

コピルアクは、ジャコウネコの腸内にある消化酵素や、腸内細菌のはたらきによって、他のコーヒーにはない独特の香りを持ちます。ジャコウネコの腸を通ったコピルアクは、カフェインが一般的なコーヒーの半分になります。豆自体に苦味や酸味も少ないので、そのままポリポリと食べることもできます。

コピルアクのコーヒーは、バニラのような香りがして、スッキリして飲みやすい中に、土のような自然の野性味がほんのり混じる、なんとも独特な味わいです。意外にも排泄物という感覚は一切なく、コピルアク独特の味わいには、クセになってしまう人もいるとか。

インドネシア流コピルアクのおいしい入れ方

コピルアクのコーヒーをいれるときは、普段のコーヒー同様、豆を挽いてドリップします。インドネシアではフィルターを使わないのが一般的なので、砕いたコーヒー豆がコップの底に沈むのを待ってから、飲むそうです。粒が早く沈むように、あらかじめ極細挽きにしておく習慣があります。

また、インドネシアで産出されるのは苦めのコーヒー豆が多いので、お砂糖をたっぷり入れるそうです。なお、コピルアクは独特の香りが特徴ですが、深煎りしすぎると香りが飛んでしまいます。浅煎りで飲むのがオススメ。

コピルアクがブルーマウンテンより高値で取引される理由

コピルアクがいくら独特の味でクセになると言っても、なにせ一杯8,000円。なかなかハマって飲めるシロモノではありません。「排泄物」と聞くとためらってしまう人も多いのに、実際はコピルアク100gで1万円という高値がついています。

これは豆を煎っただけの、挽く前の価格ですので、挽いてあるともっと高いこともあります。ときどき、信じられないくらい安い商品も見かけますが、よく見るとコピルアクが数%ブレンドされているだけの「まがいもの」であることも多いです。

高値の理由は味ではなく希少性にあります。1匹のジャコウネコから取れるコピルアクは、1日たった3g程度。コーヒー1杯分に12g程度のコーヒー豆が使われることを考えると、その希少性がわかるというもの。

ちなみに、日本国内で1年間に消費されるコーヒーは50万トン弱ということなので、コピルアクが高級コーヒー豆として扱われるのも当然かもしれません。なお、高級コーヒーの代名詞ブルーマウンテンは、200gで4,000円~6,000円が相場。ジャコウネコも大変ですね。

コピルアクがさらに高くなったきっかけ

1995年、コピルアクは「ジャコウネコの排泄物から集めた世界一高価なコーヒー」として、イグノーベル栄養学賞を受賞しました。イグノーベル賞とは「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられる賞で、「世界一不名誉な賞」と呼ばれることもあります。

これがきっかけでコピルアクの知名度は飛躍的に上昇。ジャコウネコがSARSウィルスを媒介する、とウワサされた時にも、高値取引を維持したそうです。

コピ・ルアクだけじゃない 希少コーヒー

広い世界には、コピルアク以外にも排泄物から取り出したコーヒーが存在します。いずれも希少価値があり、高額で取引されているようです。彼らには共通点があり、野生のカンで完熟した美味しいコーヒーがわかるという特技を持っています。

古くは、トラの排泄物から取れたコーヒーがあったとかなかったとか…歴史に埋もれてしまって、今や真実は闇の中。動物コーヒーの世界は奥が深いです。

カペ・アラミド

実はコピルアクと全く同じ、ジャコウネコの排泄物から取られるコーヒー豆です。インドネシア産のものをコピルアクと言うのに対して、フィリピン産のものをカペアラミドと呼びます。

インドネシアではロブスタ種というコーヒーが主流ですが、フィリピンではアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種など、数種類のコーヒーが栽培されているので、カペアラミドはいくつかのコーヒーがブレンドされた状態になっています。

モンキーコーヒー

名前の通り、サルの排泄物から得られるコーヒーで、おもな産地はアフリカ。ほかに、台湾ではタイワンザルがコーヒーの果肉だけを食べ、吐き出した種を集めたコーヒーもあります。どちらにせよ、珍品中の珍品。日本ではまずお目にかかれないでしょう。

ブラック・アイボリー

直訳すると「黒い象牙」。タイでは、ゾウの排泄物から取れるコーヒーがあります。コピルアクよりも高額で、たった35gで1万円を超えることも。ゾウが一緒に食べるバナナやサトウキビなどと一緒に、体内でゆっくりと熟成されるため、フルーツのような香りがするそうですよ。

ジャクーコーヒー

主に熱帯雨林に生息するジャクーは、キジによく似た鳥です。ブラジルには、ジャクーの排泄物から採取したコーヒーがあります。ゾウやジャコウネコと違い、ジャクーの体内での消化・発酵はせいぜい1時間ほど。そのためすっきりとした味わいになります。

ウチュニャリ

数ある動物コーヒーのなかでも最も高いと言われているのがウチュニャリです。ペルーにいるハナグマは、日本のアライグマによく似ており、雑食で様々な環境に適応します。ハナグマはどんな動物よりも美味しいコーヒーの実を選ぶのに長けており、排泄物から取れるウチュニャリも、大変美味と言われます。

コピルアクの歴史

世界には様々な動物コーヒーがあることがわかりましたが、その発祥となったのがコピルアクです。それにしても、どうしてジャコウネコの排泄物からコーヒーを取ろう、なんて思いついたのでしょうか?

もともと、インドネシアにコーヒーの木は自生しません。17世紀初頭からオランダによる植民地支配を受け、そのときに持ち込まれたのが始まりです。当時、インドネシア現地の住民がコーヒーを取って飲むことは禁じられており、身を粉にして働いても、片っ端からオランダ人に持って行かれてしまう、という状況でした。

そんな中、考案されたのがコピルアクだったのです。コピルアクは次第に味や香りも含めて評判がよくなり、世界中へ広まっていきました。現在では、コピルアクはインドネシアのコーヒー農園周辺では人気のお土産品となっています。

旅行客に1杯800~1,000円程度で提供するカフェや屋台もあるそうです。

もしコピルアクに出会ったら、チャンスを逃さないで!

コピルアクは、ジャコウネコの排泄物から得られる、大変希少なコーヒーです。目にかかる機会も少ないので、もし飲める機会があったら、むしろラッキー!?ふところに余裕があるときは、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

味も悪くないといいますし、話のタネになることはもちろん、貴重な体験になることだけは間違いありません。どうしても抵抗がある、という方は、無理だけはしないようにしてくださいね。

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