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ブルーマウンテンとは?コーヒー御三家と呼ばれ愛される理由に迫る

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2018.10.23

ブルーマウンテンはコーヒー豆の銘柄のひとつで、「ブルマン」と呼ばれるなど、知名度も高いですね。そのまま「ブルーマウンテン」を店名にしている喫茶店やカフェもたくさんあります。香りがとても良く、繊細な味わいが特徴で、別の豆とブレンドした「ブルーマウンテンブレンド」も、おなじみです。

ブルーマウンテンとは、そもそもジャマイカにあるブルーマウンテン山脈のことをいいます。このブルーマウンテン山脈のうち、標高800~1200メートルという限られた場所でのみ栽培されたコーヒー豆を「ブルーマウンテン」と呼び、日本では高級ブランドとして広く流通しています。

高級コーヒーの代名詞としても知られるブルーマウンテンですが、一体、なぜこんなに愛されているのでしょうか?知られざる「コーヒーの王様・ブルーマウンテン」の秘密に迫ります。

ブルーマウンテン「黄金バランス」の秘密

コーヒーは、常夏の熱帯雨林で栽培されていそうなイメージがありますが、実は高山で育つコーヒーほど、複雑で豊かな味わいを持ちます。中でもブルーマウンテンは、味・香り・コクが絶妙なバランスで、特に香りが強いのが特徴です。「黄金バランス」とも言われるブルーマウンテンの美味しさの秘密を調べました。

カリブ海の島国ジャマイカは、1962年にイギリスから独立した立憲君主制国家です。ジャマイカは国土の8割が山地ですが、中でもブルーマウンテンは国内最高峰。標高は2,256メートルです。日の出ピッタリに登頂するのがハイカーに人気ですが、標高から連想されるとおり、とても寒い地域でもあります。

標高800メートルを超えると、昼夜の温度差が激しく、斜面の角度がどんどん急になります。そんな過酷な環境こそが、ブルーマウンテンの美味しさの秘密。土壌の特性や急斜面のために機械の導入も難しく、ひとつひとつ手作業で収穫されます。豊かな味わいながらもクセのない口当たりは、日本人によく好まれ、ブルーマウンテンの9割は日本に輸出されています。

ブルーマウンテンが高級ブランドになった理由

ブルーマウンテンと同じ種類のコーヒーは、他の場所でも育てられていますが、「ブルーマウンテン」の名を冠していいのは、ブルーマウンテン山脈の中でも、ごく限られた場所で育てられたコーヒー豆だけです。しかし、実際はもっと低地で育てられた豆でも、ブルーマウンテンとして流通していると言われます。

それだけブルーマウンテンが高級だということを意味していますが、ブルーマウンテンがここまで高値で取引されるようになったのには、いくつか理由があります。

ブルーマウンテン高値の秘密①国家による厳しい品質管理

ブルーマウンテンが高級豆となった理由のまず一つ目は、ジャマイカ国家による厳しい品質管理です。ジャマイカ政府には「コーヒー産業局」という省庁があり、「コーヒー産業発展会社」がコーヒー農家を奨励したり、「コーヒー産業規制法」でブルーマウンテン商標を厳しく管理するなどしています。

限られた地帯で収穫されたブルーマウンテンは、4段階のグレードに分けられます。コーヒー豆の粒の大きさや、水分含有量、欠点豆の混入率などに加え、国家資格を持つ検査官が「炒りあがり」「香り」「酸味」「コク」「後味」「雑味」と、細かく味覚鑑定を行い、NO.1と認められるのは3割程度。

近年、ハリケーン被害によりブルーマウンテンのコーヒー農園は甚大な被害を受け、生産量が激減しましたが、それでもジャマイカコーヒー産業局の品質検査官は、決して手をゆるめません。今ではブルーマウンテンのNO.1は、生豆でも100g4,000円という値段がつくこともあるそうです。

ブルーマウンテン高値の秘密②ブルーマウンテン樽

コーヒー豆は一般的に、麻袋に詰めて運ばれます。しかしブルーマウンテンだけは、なぜか樽詰めで流通しています。これは、ジャマイカでコーヒー栽培が始まった当初、イギリスから輸入された小麦粉などの空き樽を再利用したのが始まりです。

実は、この樽がブルーマウンテンのおいしさの秘密でもあるんです。現在、ブルーマウンテン樽に使われている木材は、においがなく、湿気を吸収・放出する性質があります。また、温度変化の影響も受けにくく、結果的にブルーマウンテンの品質を保っているのです。

とは言え、麻袋に比べて樽詰めは原価も高く、手間もかかるので、ブルーマウンテンの価格を上げている一因にもなっています。

ブルーマウンテン高値の秘密③販売戦略

日本ではこんなにも愛され、高級で手が届かないほどのブルーマウンテンですが、知名度は世界的に見ても低いのです。海外でブルーマウンテンと言えば、オーストラリアの世界遺産「ブルーマウンテンズ」か、アメリカのスキーリゾート地「ブルーマウンテンリゾート」を連想する人の方が多いでしょう。

ブルーマウンテンは日本に初上陸した当初、「英国王室御用達コーヒー」というキャッチフレーズで売り出され、大ヒットを記録しました。ちなみに、そのころのジャマイカはまだ英国領で、ありそうな話ですが…イギリスと言えば、ご存知のとおり紅茶の国です。本当に英国王室御用達かどうかはアヤシイですね。

しかし、結果的には「英国王室御用達」と銘打った販売戦略が大当たり。日本人好みの味が広く受け入れられ、現在に続くブルーマウンテン神話の始まりとなりました。

まだまだあるブルーマウンテンの秘密

もともと、限られた地域でしか採れない貴重な豆であり、品質も良いことから、希少ブランドとして高値がつくブルーマウンテン。美味しさの秘密や、高級な秘密がわかりました。続いては、ブルーマウンテンにまつわる豆知識を集めました。

パプアニューギニア産のブルーマウンテン?

ジャマイカのブルーマウンテンで産出するからこそ「ブルーマウンテン」なのですが、日本ではかつて「パプアニューギニアのブルーマウンテン」と呼ばれたコーヒーがありました。これは、ジャマイカからパプアニューギニアへブルーマウンテンの苗木が輸出されたことがきっかけです。

パプアニューギニアのコーヒー農園は標高が1,000メートル以上で、気候もジャマイカに似ていたことから、品質の良いコーヒーが取れました。現在でも「ブルーマウンテン」の名で販売されていることがあります。

バナナはブルーマウンテンと仲良し?

コーヒーは栽培がとても難しいと言われています。暑すぎてもダメ、寒すぎてもダメ。日が当たりすぎてもダメ、当たらなくてもダメ。水はけがよくないとダメだけど、雨が足りなくてもダメ。とってもワガママな植物ですが、条件が見事にそろったコーヒーは、まさに神の飲み物です。

そんなブルーマウンテンと仲良しの植物があります。それはバナナ。バナナは成長が早く、葉が大きいので、コーヒーの隣に植えておくと、ちょうどよい日陰を作ってくれます。シェードツリー(日陰樹)と言いますが、コーヒーに日陰を作りながら、バナナも一緒に収穫できるというわけです。

ブルーマウンテンのサクラ前線

ブルーマウンテンは、2~3月に白い花が咲き、11月になると真っ赤に色づいて「コーヒーチェリー」を作ります。色や形がサクランボに似ていることからコーヒーチェリーと呼ばれますが、この時期はまさに「桜前線」。日本のお花見のように、コーヒーチェリーの下で宴が開かれ、大いににぎわいます。

一方、コーヒー農家にとって、この季節は一年間の生活がかかった、大事な時期でもあります。というのも、コーヒーチェリーは雨や風に弱く、すぐにたたき落とされてしまうから。地面に落ちてしまったコーヒーチェリーは商品になりません。

コーヒーチェリーができたら、すぐに収穫するのがベストです。一家総出で収穫作業をするのは当たり前。人手確保や賃金交渉で、農園どうしの競争が始まったりすることもあるそうです。日本のお花見と同様、穏やかでない季節かもしれませんね。

一度は飲みたい!ブルーマウンテンNO.1ストレート

ブルーマウンテンは、ごく限られた地域でだけ栽培される、高品質で希少なコーヒーです。それだけでなく、ジャマイカ政府の厳しい品質管理や、ハリケーン被害、ブルーマウンテン樽、日本における販売戦略など、様々な事情が複雑に絡み合って、今のような高値を作り出していることがわかりました。

ブレンドもいいけれど、いつかはNO.1ストレートを飲んでみたいもの。ブルーマウンテンNO.1を自分へのごほうびに、と思えば、明日も一日がんばれますね。ちなみに「ストレート」とは、単一銘柄だけを用いて他の豆をブレンドせずに使うことです。きっと特別なひとときが味わえるはず。試してみてください。

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