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マンデリンが愛される秘密とは?おいしく飲むための焙煎方法といれ方

コーヒー豆

 

2018.09.16

マンデリンとは、インドネシアのスマトラ島で栽培されている、アラビカ種コーヒー豆のひとつです。酸味が少なくて深いコクと苦味のバランスがよく、チョコレートやスパイス、ハーブがまじりあったような独特な香りが特徴。

深煎りにしても個性が消えない豆は少なく、マンデリンの独特の味わいには、根強い日本人ファンもたくさんいて、マンデリンの半分は日本に輸出されているという話もあります。マンデリンは、栽培を進めた現地民族の名前にちなんで名づけられました。

生産量はインドネシア全体のコーヒー生産量から見てもごくわずかですが、マンデリンは今やトラジャと並ぶ高級銘柄として知られ、世界中で愛されています。マンデリン誕生の背景やオススメ焙煎方法まで、詳しくご紹介します。

マンデリンの美味しい飲み方

マンデリンは深いコクと苦味が特徴のコーヒー豆です。そのまま単一(ストレート)で飲まれるほか、ブレンドコーヒーにもよく用いられます。苦味が強いのでカフェオレにもむいていて、こってりと甘いお菓子とも相性抜群。深いコクがミルクやお菓子にも負けません。

ストレートで飲む場合は、苦味を活かしてくれる「シティロースト」か「フルシティロースト」がオススメです。酸味よりも苦味がハッキリして、マンデリンらしさを十分堪能できます。

一方、浅煎りでもマンデリン独特のユニークな風味が味わえるので、一度は試してみたいですね。柑橘とスパイスを感じるような鮮やかな酸味が引き立ち、マンデリンの新しい魅力に気づくでしょう。

マンデリンの歴史

17世紀末にコーヒー栽培が始まったころ、インドネシアはオランダの植民地下にありました。当初はアラビカ種も多く栽培されていましたが、20世紀に入って「さび病」の流行により、壊滅的な被害を受けてしまいます。

かろうじてさび病に耐えたアラビカ種をもとに、スマトラ島のマンデリン族が栽培を行ったものがマンデリンの始まりです。現在では地域によってマンデリンブランドが生まれており、ひとつずつていねいに欠点豆を除去するなど、品質管理も徹底しています。

さび病とは?

さび病とは、コーヒーによく発生する病気のひとつです。「さび菌」と言われるカビの一種が植物に寄生して、赤や黒の胞子を作り、これが酸化してサビついたように見えることから、さび病と呼ばれています。

コーヒーだけでなく、草花や野菜、果樹など、多くの作物に発生し、次々と葉が枯れ落ちます。葉が落ちると光合成ができなくなり、最悪の場合は木が枯れてしまうことも。

さび病は空気や水から伝染するので、晴れても雨でもお構いなしに広がっていきます。さび病を防ぐには過湿を防ぎ、早期発見・早期対処が重要です。コーヒー農家にとってさび病は、なによりも恐ろしい事態なのです。

インドネシアとコーヒー生産

インドネシアは東南アジア南部にあり、東西に5、000kmの長く伸びた地域の中に世界最多の島々を持つ国家です。島の数はかつて17000個とも言われ、国際法にのっとり「満潮時に水没するもの」や岩礁・砂州などをのぞくと13000個になるそうです。だとしても多い!

そんなインドネシアは赤道直下の島も多く、コーヒーの栽培には最適。現在のコーヒー生産量は世界第4位で、生産されているコーヒー豆の9割がロブスタ種で、マンデリンは5%程度だといいます。

他民族国家のインドネシアでは、世界最多となるムスリム(イスラム教徒)が暮らしており、厳しい戒律に守られたコーヒー農園もあるんだとか。マンデリンの産地スマトラ島も、かつてはイスラム王朝が統治していたんですよ。

マンデリンブランド

さび病に耐えたアラビカ種、マンデリン。今では地域によってブランドが確立しています。スマトラ島はもともと、火山灰の土地であるのと、すぐれた腐葉土のおかげで、たいへん肥沃な土壌が形成されています。そのためほとんどが有機栽培。

コーヒー産地はいずれも標高1800~1900メートルという高原地帯で、高山地帯であればあるほど昼夜の寒暖差が大きく、コーヒー豆には複雑で豊かな味わいが生まれると言われています。

リントンマンデリン

スマトラ島北部のリントン・ニ・フタ地区で栽培されているブランドです。日本のUCC上島珈琲はリントンマンデリンに農園を持っており、日本にマンデリンを普及させた立役者としても知られています。

トロピカルフルーツやスイートスパイスのような強い香りと、贅沢な甘味が特徴。深煎りで飲むのがオススメです。

マンデリン・トバコ

世界有数のカルデラ湖・トバ湖の湖畔で栽培されています。標高は905メートル、湖の大きさは琵琶湖の約3倍。透明度が10メートルを超えるという、大変きれいな湖です。観光に行くなら夕映えがオススメです。

マンデリン・トバコはマンデリンらしい濃厚なコクとスパイシーな苦味が特徴で、カフェオレやカプチーノにもマッチします。マンデリン・トバコをはじめ、マンデリンコーヒーは、ミルクと合わせてもコクや複雑な味わいを失わないのがいいところ。ぜひお試しあれ。

ガヨ・マウンテン

インドネシアの支援のもと生産されている銘柄です。マンデリンの中でも酸味がきいている方で、苦味とのバランスが絶妙です。赤道直下といっても高原地帯のために年間平均気温は20℃。

イスラムの厳しい戒律に守られた地域でもあり、20世紀までは近隣の住民すら入れない秘境扱いをされてきました。そのためガヨ・マウンテン自体、長い間「幻の豆」と言われていたほど。

政府主導のもと、現在は国際観光地の装いとなっています。なお、ガヨ・マウンテンだけは、「水洗式」という精製方法がとられています。

マンデリンの「スマトラ方式」

一般的に、収穫されたコーヒーチェリーは、皮がついたまま乾燥させられ、その後脱穀して生豆となりますが、スマトラ島では特殊な精製方法がとられています。コーヒーの皮を除去してから乾燥工程に入る方式が「スマトラ式」と呼ばれており、世界的に見ても珍しいです。

このようは方式がとられるようになったのは、スマトラ島の雨の多さが原因。スコールが多く、乾燥時間をたくさんとることができないので、全体の乾燥時間が短くても済むような行程が採用されるようになりました。

スマトラ方式の生豆は深緑色に仕上がり、この方式がマンデリンの個性を生む一因にもなっているとか。

ガヨ・マウンテンの「水洗式」

スマトラ方式ともまた異なる精製方法の「水洗式」とは、いったいどんな方式なのでしょうか。収穫されたコーヒーチェリーは、機械を使って果肉を除去されます。これを発酵槽に入れ、果肉を溶かしきったのち、水洗いしてから乾燥させるという方法です。

乾燥式に比べると設備費がかかりますが、見た目がよく欠点豆が少なくなるという利点があり、商品価値が高くなります。水洗式は水の豊かな地域ではよく行われており、酸味が強めでさっぱりとした味わいに仕上がります。

マンデリンのグレードと欠点豆

マンデリンはじめ、コーヒー豆は産地ごとに等級(グレード)分けされています。インドネシアでは欠点数が少ないほど高グレードとなる方式を採用しており、ここで言う欠点とは、殻や小石、枝が混じっていたりすること。さやつき豆や虫食い豆、割れ豆や、収穫前に地面に落ちてしまったものなども欠点豆です。

インドネシアの高級銘柄であるマンデリンやトラジャは、ひとつひとつ手摘みで収穫され、出荷前にハンドピックと呼ばれる検査を行います。大量のコーヒー豆の中から、欠点豆を手作業で除去していく光景は、まさに熟練の職人技。高級コーヒーのブランドが、手作業でていねいに保たれているなんて、驚きですね。最高級マンダリンは「G1」を冠しています。

どうして欠点豆を取り除くの?

一般的に販売されているコーヒー豆は、生豆の状態だけでなく、焙煎後にもハンドピッキングをして、ていねいに欠点豆を取り除いています。生豆の状態ではわからなくても、焙煎することで欠点豆とわかるものもあります。欠点豆を取り除くのは、極端に味が落ちるから。

実際に試してみると味の違いがよくわかりますが、欠点豆は渋味やエグ味が強く、コーヒーのうま味を感じられません。お店によっては焙煎前にもハンドピッキングしているところも多いんですよ。おいしいコーヒーにはたくさんの手間ひまがかけられているんですね。

マンデリンの苦味とコクを楽しもう!

マンデリンは、深いコクと強い苦味とともに独特の香りが同居する個性的なコーヒーです。その味わいは、スマトラ島の肥沃な土壌や、独特の精製方法、ていねいな手摘みやハンドピッキンによって生み出されていることがわかりました。

さび病に悩まされながらも、今や高級豆として世界中で飲まれるマンデリン。ぜひ、お好みの焙煎方法を見つけて、奥深いマンデリンの世界にひたってください。

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