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アーシーなコーヒーとは?スマトラ式が生み出す力強い風味の秘密

コーヒー豆

 

2018.11.02

「アーシー(earthy)」という言葉を聞いたことがありますか?earthが「地球」を意味するとおり、土のような泥のような香りのことを指します。アロマオイルでいうとパチュリやヴェチバーなどが代表的で、深みのあるオリエンタルな香りは、なんとなく心が落ち着きます。

世界で生産されるコーヒーは、生産地の気候や土壌などの影響を受け、少しずつ味わいや香りが変わります。焙煎や抽出方法の違いでも差が出ます。香りを表現する言葉も、実にさまざまです。

「フルーティ」「スパイシー」「クリーミー」「フローラル」「スモーキー」いろんなコーヒーがありますね。「アーシー」はインドネシアのコーヒー豆によく使われるようです。アーシーはじめ、コーヒーの香りについて調べました。

アーシーな香りの原点

アーシーな香りの原因になっているのは「スマトラ式」であると言われます。一般的に、収穫されたコーヒーチェリーは、そのまま乾燥させてから、果肉を取り除く方式をとっており「ナチュラル」もしくは「非水洗処理方式」と呼ばれます。

一方、スマトラ式は果肉を取り除いてから乾燥するという違いです。スマトラ式は世界的に見ても珍しく、雨の多いインドネシアならではの方法と言えます。スマトラ式の生豆は深緑色になり、エキゾチックアーシーと呼ばれる香りを引き出すもとになっているのです。

スマトラ島とは

スマトラ島は13,400の島を持つインドネシアの中で2番目に大きな島で、世界でも第6位の面積です。16世紀以降ヨーロッパの列強に侵攻され、そのころにコーヒーが持ち込まれます。石油資源が潤沢であることや、火山や地震が多いことでも有名です。

インドネシアの中でも早いうちにイスラム教を取り入れており、イスラムの教えを守りながらコーヒーを栽培している地域も多いようです。

「アーシー」とは?

「earthy」を調べてみると、「カビくさい」「土くさい」といったマイナスイメージも含まれますが、その場合は特に「earthy smell」と表現することが多いようです。ただ「アーシー」とだけ言うときはポジティブなイメージをさすんですね。

広い世界にはアーシーコーヒーの大ファンもいるそうで、わざわざアーシーな香りをつけるため、直接土の上で乾燥させる銘柄もあるんだとか。日本では「野性的」「荒々しい」なんて表現をすることも多いです。

アーシーは洗練されてない?

一方で、コーヒーの風味を「洗練された」と表現することがあります。栽培が簡単で価格も安いロブスタ種に比べ、アラビカ種は手がかかり、ひとつひとつ手摘みで収穫されるなど、大変ていねいに育てられており、手間ひまが生み出す繊細で上品な味わいがあります。

「洗練された」という表現もピッタリですが、時おり「非水洗処理方式=洗練された味」と表現する場合があるようです。乾燥などの処理工程は地域に根ざした特色あるものですので、水洗式のインドネシア産が洗練されていない、というわけではありません。

アーシーなコーヒー豆

アーシーな香りが楽しめるコーヒーをいくつかご紹介します。いずれもインドネシア産で、果肉を取り除いた後に乾燥工程に入っています。

マンデリン

スマトラ島を代表するコーヒーで、深いコクと苦味が特徴です。紅茶やハーブ、シナモンといった深みのある甘酸っぱい香りがします。さび病に耐えたアラビカ種をもとに、スマトラ島のマンデリン・バタック族が栽培を続けたものが、マンデリンの始まりです。

トラジャ

オランダ王室はじめ、ヨーロッパの王侯貴族を魅了したセラベスの名品が現代に復活。スラウェシ島で作られているコーヒーです。優しい苦味と豊かな甘味、濃厚なコクがあり、草のような野性的でスモーキーな香りが特徴です。

「グルメコーヒー」と呼ばれ、マンデリンと並ぶインドネシアの高級コーヒーです。

ジャワコーヒー(ジャワアラビカ)

ジャワ島はインドネシアの中でも、早い内からコーヒーが生産されていた地域で、現在でもさかんに生産が行われています。大部分がロブスタ種ですが、ジャワ島で栽培されるアラビカ種を「ジャワコーヒー」もしくは「ジャワアラビカ」と呼びます。

苦味が強く、酸味はほとんど感じません。花のような香りとともにカカオのようなキャラメルのような香りがあります。

バリコピを試してみよう!

インドネシアでは、昔からバリコピと呼ばれる呼ばれる抽出方法で飲むことが多いようです。コーヒー粉を直接カップにいれ、そのままお湯を注いで上澄みだけを飲みます。ミルクは入れず、たっぷりの砂糖を入れることが多いようです。

バリコピは、アーシーな香りを最大限に楽しめる飲み方でもあります。香りだけでなくいれ方や舌ざわりもアーシー!?逆に、アーシーな感じが苦手な方はドリップなどで取り除いた方がいいそうです。

コーヒーの香りを表現する言葉

アーシー以外にも、コーヒーの香りは千差万別。コーヒーの香りを表現する言葉を集めてみました。

香り高い(fragrant)

香り高いとは、コーヒー独特のいい香り、芳しい香りのことです。いい香りが強い場合、長く続く場合などにも使われます。ブルーマウンテンやトラジャ、マンデリンなど、いわゆる高級コーヒーによく使われる表現。

強烈な香り(intense)(strong)

コーヒーの香りが強烈という時は、「コーヒー香が強い」という場合と、「独特の香りが強い」という場合の2パターンがあります。豆の種類よりも抽出方法でサイフォンやエスプレッソのときに用いられることが多いです。

フルーティ(fruity)

果実を思わせる甘酸っぱい香りを表現する言葉です。香りだけでなく味わいもフルーティであることが多く、キリマンジャロやモカが代表的です。

スパイシー(spicy)

スパイス、香辛料のような、特にブラックペッパー、ターメリックなど辛味の強いスパイスを思わせる、力強い香りのときに使われる言葉です。エチオピアのシダモや、インドネシア、アフリカのコーヒーに多いようです。

フローラル(floral)

花のような香りのことで、「華やか」と表現されることも多いです。ニカラグア、コロンビア、コスタリカなど中南米や、エチオピアコーヒーに多く見られます。

甘い香り(sweety)

ブラジルやコロンビアの豆に多くみられる表現で、花のように甘い香りであったり、果物のように甘い香りだったり、チョコレートのように甘い香りだったりします。

クリーミー(creamy)

アイスクリームや生クリームなど、まろやかな香りを表現します。味もまろやかであることが多く、中南米産のコーヒー豆に多いようです。

スモーキー(smoky)

スモークした、いぶした、燻製のような香りのことです。深煎り豆を使用するとスモーキーな香りが出やすくなります。また、完熟したコーヒーチェリーを手摘みした場合にもスモーキー香が出ることが多く、マンデリンやトラジャにもよく使われる表現です。

欠点豆による悪い香り

コーヒー豆は何度かハンドピックという工程を経て、悪い豆を取り除きます。コーヒーの風味に極端に悪い影響があるのですが、具体的にどんな悪影響が出るか、調べてみました。

焦げ豆

焙煎しすぎて焦げてしまった豆のことです。サイズが極端に小さかったり、欠けていたり割れていたりなどして、均一に火が入らなかった場合に焦げ豆ができることがあります。コーヒーの苦味とは明らかに違う苦さやコゲ臭さが出ます。

生育異常豆

なんらかの原因で正常に成長できなかった豆のことで、形がいびつになっています。えぐみや青臭い風味の原因になります。

発酵豆

とくに非水洗処理方式で、コーヒーチェリーのまま乾燥させる段階で発生しやすいものです。モカと呼ばれるエチオピアやイエメン産の豆は発酵がもたらす華やかな香りがあるとされますが、発酵しすぎると酸味以上に酸っぱい風味になったり、強烈な悪臭を放ったりします。

納豆やヨーグルトをイメージするとわかりやすいかもしれません。

カビ豆・虫食い豆

虫食い部分にカビが発生していることが多く、出荷後でも発生することがあるので、焙煎やグラインド前に取り除きます。カビ臭、えぐみなど、風味に重大な影響が出ます。「earthy smells」にあたりますね。

アーシーな香りを楽しもう!

「アーシー」はインドネシア産のコーヒーに見られるような、野性的で素朴な風味を指す言葉だとわかりました。コーヒーの香りはなかなか、表現するのも、イメージするもの難しいですが、積極的に使っていきたいですね。

インドネシアの芳醇な大地が生み出す力強いアーシー。ぜひ一度味わってみてください。

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