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キリマンジャロがコーヒー御三家と呼ばれるのはなぜ?焙煎方法が決め手

コーヒー豆

 

2018.09.17

「キリマン」の愛称でおなじみのキリマンジャロコーヒー。酸味と苦味のバランスが良く、甘い香りを味わえるコーヒーですが、そもそもキリマンジャロとは一体なにか、ご存知ですか?「アフリカ大陸の屋根」ともいわれるキリマンジャロ山がふるさとですが、現在ではタンザニア産のコーヒー全般をさしてキリマンジャロと呼ぶこともあります。

キリマンジャロの産地は標高1,500~2,500メートルの高地で、寒暖の差が激しく、降水量が豊富に恵まれ、アラビカ種の中でも最高品種と名高いブランドが生まれます。大粒で緑がかった灰色をした粒から、雑味のない味わいが楽しめるのが特徴で、焙煎により風味が七変化するのも魅力の一つ。

キリマンジャロの美味しさの秘密や美味しい焙煎方法、飲み方についてまとめました。

キリマンジャロ山とは

キリマンジャロとはアフリカ大陸最高峰の山で、世界遺産にも登録されています。標高は5,895メートルで、山脈に属しておらず「独立峰」といいます。タンザニア北東部に位置しており、タンザニア最大の都市ダルエスサラームからは500km北西に、ケニアの首都ナイロビからは200km南という広大なロケーションです。

キリマンジャロは「神の家」「白く輝く山」を意味するともいわれ、赤道付近にもかかわらず年間を通して氷雪に覆われていますが、地球温暖化などが原因で2020年には氷雪が消滅するという説もあります。

プランテーション農法とキリマンジャロ

キリマンジャロはプランテーションと呼ばれる栽培方法で作られています。なんとなく大がかりなイメージはあると思いますが、プランテーションとはつまり、広大な農地で単一作物を大量に栽培する、という手法のこと。

プランテーションが生まれた当初は、外国資本が強引に入手した先住民の土地を開拓し、労働力に奴隷を用いる、といった手法でした。現在でも先進国企業が途上国の土地を不正に入手したり、安い賃金で現地の労働力を半ば強引に働かせるといった悪質な方法もあるといいます。

タンザニアにおいてもプランテーションによる農園主と使用人の貧富の差が問題視されています。

タンザニアってどんな国?

タンザニア連合共和国は、東アフリカにある共和国です。19世紀に行われたアフリカ分割により、ドイツの植民地におかれます。第一次世界大戦でドイツ敗戦後は、イギリスの植民地におかれ、現在でもイギリス連邦加盟国として知られます。

独立は1964年で、スワヒリ語を国語とするなど、アフリカの歴史を今に伝える重要な役割を果たしています。農産物の輸出が全体の8割を占めるタンザニアでは、コーヒー豆は重要な輸出品目です。

キリマンジャロは高級ブランド豆として知名度も高く、タンザニアコーヒー協会が生産から販売などすべてを取り仕切っています。またキリマンジャロ登山やザンジバルリゾートなどの観光業も急成長分野です。

キリマンジャロの歴史

キリマンジャロの始まりは1900年ごろといわれており、ドイツやイギリスによるプランテーション開拓をきっかけに、20世紀初頭には100プランテーションで200万本のコーヒーが栽培されるほどに拡大しました。

しかし当初はイエメンから「モカ」の名前でヨーロッパに輸出されていたといいます。それでもキリマンジャロの生産量は世界全体のコーヒーのわずか1%しかありません。

キリマンジャロ原住民協同組合連合会

キリマンジャロの南麓に住むチャガ人は、勤勉な農民として知られています。トウモロコシやバナナを主食とし、1932年にコーヒー生産者による協同組合を立ち上げ、キリマンジャロのブランドを世界的な地位にのし上げました。

キリマンジャロの知名度アップにともない、ふもと町のモシ市も発展。コーヒーの販売で得た収入を、ほかの農作物の栽培に回すなど、とても堅実な生活を送っているそうです。

『キリマンジャロの雪』

そんなキリマンジャロが日本で有名になるきっかけとなったのは、1953年に日本で公開された映画『キリマンジャロの雪』でした。原作はノーベル文学賞も受賞したアーネスト・ヘミングウェイ。

映画自体はさほど有名ではありませんが、国内公開に合わせてキリマンジャロコーヒーが売り出され、キリマンジャロコーヒーは大ヒットを記録しました。なお、映画とコーヒーは全く関係がありません。

日本ではブルーマウンテン、モカと並ぶ「コーヒー御三家」と呼ばれるキリマンジャロですが、そのきっかけは意外なところにあったんですね。今では日本はキリマンジャロの最大輸入国だそうです。

キリマンジャロとは

アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ山。そのふもと町で作られたコーヒー豆をキリマンジャロ、と呼んだのが始まりですが、1993年以降は「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」により、タンザニアで作られる水洗式アラビカ種であれば、すべて「キリマンジャロ」と冠してよいことになりました。

水洗式とは?

水資源に乏しいアフリカのコーヒー産地では、乾燥式という方法がとられていることも多いですが、キリマンジャロはウォッシュド製法を導入しています。

乾燥式が、収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させてから、脱穀するのに対し、ウォッシュド製法では、コーヒーチェリーの果肉を取り除いた後、粘液質を洗い流してから乾燥させます。その後脱穀して生豆とする方法です。このため均一で欠点豆が少なく、質の高いキリマンジャロが生まれます。

これからのキリマンジャロ

世界的な健康志向の高まりにともない、キリマンジャロにも低農薬・無農薬の動きがみられています。キリマンジャロの大手消費国日本でも、無農薬栽培やフェアトレードの仕組みが始まっており、品種改良や、ロブスタ種との交配研究も進んでいます。

キリマンジャロの味を残しつつ、うまくフェアトレードを実現していきたいですね。

キリマンジャロの美味しい飲み方

キリマンジャロは、標高の高いところで栽培されたコーヒー豆らしく、実が締まって硬い豆になっていますが、降水量が多い地域なので水分量も多いです。そのため甘酢っぱい果実のようなキレのいい酸味が特徴となります。

酸味が強いだけに、ミルクとの相性はいまひとつ。牛乳に酢を加えると分離してしまうアノ現象が起こることもあるそうです。深煎りの焙煎にすることで酸味が落ち着き、上品な苦味を味わうことができます。

ブレンドしてみよう

また、キリマンジャロ特有のコクのある甘味を味わうには、ブレンドもオススメです。ただし、コーヒーによってはキリマンジャロの酸味とケンカをしてしまいます。

世界一のコーヒー産地ブラジルの豆は、世界中で飲まれているだけあって、安定感のある味わいで、キリマンジャロとも相性がよいようです。ブレンドをした場合は中~中深煎り程度の焙煎だと、それぞれの欠点を補いながら美味しく味わうことができますよ。

ぬるめのお湯でいれよう

キリマンジャロの華やかな香りや甘味を味わうには、ぬるめのお湯でいれるのがポイントです。温度が高すぎると香りや酸味が飛んでしまいます。

また、抽出に時間がかかると酸味や苦味が偏ってしまったり、強まってしまうことがあります。ドリップの際に太めのお湯を注ぎ、早めに抽出を終えると、すっきりしながらもコクのある濃厚なキリマンジャロを楽しむことができます。

エスプレッソで楽しもう

エスプレッソといえば深煎り豆。深煎りにするとキリマンジャロの酸味は消えてしまいますが、濃厚な苦味やコクが際立ち、まるでエスプレッソになるために生まれてきたようなコーヒーに変身します。エスプレッソを一度味わったら、マキアートやカプチーノなどのアレンジも試してみたいですね。

甘いスイーツと甘いひと時を楽しもう

キリマンジャロは優雅な香りと可憐な甘味を味わえるコーヒーです。ぜひ、優雅なスイーツと一緒に味わってみてください。より一層キリマンジャロの酸味を感じることができ、透き通った味わいを楽しめることでしょう。

キリマンジャロコーヒーはぜひストレートで!

アフリカ分割などの苦しい時代を経て、力強く独立を果たしたタンザニアは、スワヒリ語をや伝統的な宗教を大事にするなど、アフリカ古来の文化を今でも守り続けています。アフリカ大陸の屋根であり、神の家でもあるキリマンジャロ山。

そのふもとで育つキリマンジャロコーヒーは、これからもきっと守られていくに違いありません。ぜひストレートで味わいたい名品です。

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