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グアテマラコーヒー人気の理由とは?歴史や美味しい飲み方まとめ

コーヒー豆

 

2018.11.07

グアテマラコーヒーは、甘い香りと強いコクが特徴で、世界的にも人気の高いコーヒーです。日本国内でもブレンドや缶コーヒーに使われるなど、知名度もまずまず。ところで、グアテマラとは一体なんのことかご存知でしょうか?

グアテマラは、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸をつなぐ、細長い地形の「中央アメリカ(中米)」にある共和国です。亜熱帯に位置しており、コーヒーの栽培に適した「コーヒーベルト」にも含まれています。

過去にたびたび内戦が起こった影響で、いまだに政治や生活環境が安定しておらず、識字率も低く貧困に悩まされる国ですが、一方、マヤ文明の栄えた土地として広く知られ、ケツァールが生息する神秘的な国でもあります。

グアテマラってどんな国?

15世紀末にコロンブスによりアメリカ大陸が発見され、16世紀にはグアテマラもスペインの植民地に置かれることとなりました。とはいえグアテマラの原住民は激しい抵抗を繰り返し、自然や天候にも恵まれ、最終的にはスペインから自治権を得ることに成功します。

19世紀後半には独立国となり、このころからコーヒーの生産が経済の主体となり、輸出の9割がコーヒーという時期もあったほどでした。

グアテマラとマヤ文明

スペインに植民地支配を受け始めたころ、マヤ文明に関する古文書はほとんど焼き尽くされてしまい、現在では口伝での神話が伝わる程度となってしまいました。それまではグアテマラは紀元前8,000年ころからずっとマヤ文明の栄えた土地だったのです。

現在でも西部には伝統的なマヤ族が暮らしており、マヤ語も受け継がれているといいます。なかでもティカル遺跡はグアテマラのなかで最大の見どころ。じっくり見て回るとあっという間に1日が終わるほど、雄大な遺産です。

マヤ文明とは?

マヤ文明は一つの大国ではなく、中米に栄えた小都市の集まりです。各都市は有力都市を中心に結束し、互いに貿易や政治交渉を行っていたといいます。各地で道路整備や農耕に関する技術はかなり発展しており、段々畑や灌漑(かんがい)、焼畑などの跡が残っています。

主食はトウモロコシで「トウモロコシ神」をあがめる習慣もあったとか。コーヒーがもたらされるのは、まだずっとずっと先の話です。

グアテマラコーヒーの産地

世界に愛されるグアテマラコーヒーは、高品質なことが特徴。果実のような香りや酸味がよくきいていて、苦味とのバランスが楽しめます。味のヒミツはグアテマラの気候です。中米で最も高いタフムルコ山(標高4,220メートル)をはじめ、108,000㎢の国内に37の火山を有します。

雨季と乾季に分かれる国ではありますが、標高が高くなるにつれて降水量が増え、乾季も短くなるほか、川や湖も多く水源は豊富です。めぐまれた生育条件のおかげで、世界第9位のコーヒー生産量を誇り、2016年の生産量は23.6万トンでした。

グアテマラの7等級

グアテマラでコーヒーは産地の高度により等級が分けられています。等級を定めているのは「ANACAFE(グアテマラ全国コーヒー協会)」高いほど等級が上がり、最高のものは標高4,500フィート(1,371メートル)以上の土地で栽培されたSHB(Strictly Hard Bean)というグレードです。

SHB(最高級グレード)

Strictly Hard Bean、標高4,500フィート以上(1,370メートル以上)

HB

Hard Bean、標高4,000~4,500フィート(1,220~1,370メートル)

SH

Semi Hard、標高3,500~4,000フィート(1,066~1,220メートル)

EPW

Extra Prime Washed、標高3,000~3,500フィート(914~1,066メートル)

PW

Prime Washed、標高2,500~3,000フィート(762~914メートル)

EGW

Extra Good Washed、標高2,000~2,500フィート(610~762メートル)

GW

Good Washed、標高2,000フィート以下(610メートル以下)

標高で等級を決めるのはなぜ?

もちろん、一概に「標高が高ければいい」というワケではありませんが、一般に、標高が高いほど、大規模な機械を入れるのが難しく、収穫は手作業になっていくので、手間賃という意味でも高値がつく傾向が。

また、高地になるほど昼夜の寒暖差が激しくなり、これがコーヒーの味を複雑にする要因と言われています。実際、高地でつくられるコーヒー豆ほど「上品で繊細な味わい」と評価されることが多く、中でも日本人は複雑な味わいを好む人種と思われているんだとか。

たしかに普段のコーヒーをブラックで飲む日本人は多く、ミルクや砂糖を入れるにしても、他国に比べればごくわずか。ビールの苦味や緑茶の渋みを愛し、世界で初めて「うま味」を発見した日本人だからこそ、グアテマラコーヒーに人気が集まるんですね。

あくまでも「生産者」のためのANACAFE(グアテマラ生産者協会)

コーヒー豆は、各産地ごとに独自のグレード基準を設けて管理していますが、その多くは消費者の目を意識したものです。しかしグアテマラでは、名前からもわかるとおり、あくまでも生産者のための協会、という位置づけ。

ANACAFEは消費者や世界へ向けての販売・宣伝も行っていますが、生産者の指導や研究がメインなのです。グアテマラという国家にとって、コーヒーは輸出品の中で大きな割合を占めています。コーヒーの安定的な生産が、グアテマラの国を守るカギになっているんですね。

グアテマラコーヒーとモノカルチャー

グアテマラの情勢が不安定な理由として、モノカルチャー経済といわれる問題があります。大規模に単一の作物を生産することで、大量生産ができて値段を下げることができます。

技術的にも一種類の作物に関してだけ知識を得ればいいので、効率的であると言われますが、一方、天災や病虫害の影響を受けやすく、わずかに価格が変動しただけでも生産者は大打撃を受けることがあります。

商品作物なので、生産者の食料の確保ができないほか、環境破壊や砂漠化、従来品種の消滅、伝統文化が失われてしまうなどの問題も指摘されており、フェアトレードと呼ばれる公正な取引や仕組みづくりが求められています。

グアテマラコーヒーとフェアトレード

そもそも、グアテマラにコーヒーが持ち込まれたのは18世紀半ばですが、さかんに栽培されるようになったのは19世紀の半ばでした。当時、グアテマラはインディゴやコチニールといった天然染料を輸出していましたが、化学染料が登場して大打撃を受けたのです。

加えて、同じく中米の国コスタリカがコーヒー栽培で経済が絶頂を迎えたことなどを背景に、グアテマラでもコーヒー栽培を導入したのです。天然染料の生産地帯を中心にコーヒー農園へと改革が進められました。

しかしコーヒーモノカルチャー経済は長くは続かず、1991年のコーヒー価格危機をきっかけに、有機農法や品質改善へと動き出しました。国内経済を安定させると同時に、環境への負荷をへらし、長期にわたって持続可能なコーヒー農園を目指しています。

グアテマラコーヒーとシェードツリー

グアテマラコーヒーは、ほとんどすべての産地でシェードツリーが植えられており、直射日光に弱いコーヒーを守っています。この結果、コーヒー農園自体が巨大な人口森林となり、渡り鳥の避暑地として世界的にも有名です。

二酸化炭素の消費にも大きく貢献し、同時に国民半数の酸素を供給しているとも。グアテマラの国名はマヤ言語から取られ、「森林の大地」「常春の国」といった意味を持っているそうですが、まさにグアテマラらしいコーヒー栽培が行われているわけですね。

この豊富な酸素も、コーヒーに甘味を与える一因だという説があるんですよ。

グアテマラコーヒーの美味しい飲み方

グアテマラコーヒーは発音の関係で「ガテマラ」「グァテマラ」と表記されることもありますが、すべて同じものです。甘い香りと強めの酸味、強いコクが特徴ですが、水洗式の精製方法をとっているためか、口当たりはやわらかくてなめらか。

同じ「グアテマラ」でも、産地によって細かく異なる味わいを楽しめるのが特徴です。ぜひストレートブラックで、飲み比べして楽しみたいですね。また、ブレンドをしてもどんな豆とも相性がよく、良さを引き出してくれます。

グアテマラ・アンティグア

アンティグア市はグアテマラの南部に位置し、「ラ・メルセー教会」をはじめバロック建築様式の色鮮やかな美しい街並みが多く、世界遺産に登録されていることでも知られます。火山に囲まれた高地で、グレードSHBの中でも最高級品を産出。

カカオのような香りを感じるのが特徴で、コクがありながらもさっぱりした味わいが楽しめます。

グアテマラコーヒーをストレートで楽しもう!

グアテマラの国と、人々の暮らしを支えるグアテマラコーヒー。フェアトレードが浸透し、グアテマラの政治やコーヒーの生産が安定していくといいですね。マヤ文明に始まるグアテマラの歴史を感じながら、ストレートで味わってみてください。

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