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エチオピアコーヒーとは?コーヒー発祥の地に伝わる由緒正しい飲み方

飲み方

 

2018.10.19

エチオピアコーヒーといえば、とにかく素晴らしい香りが特徴です。花のようにみずみずしくさわやかで、甘酸っぱい柑橘系の果実のような香りは、ワインに例えられることも多く、ほかのコーヒーには見られないものです。

「世界最高の香り」と評価されることもあり、味わいにも酸味が目立ちます。一方で苦味やコク、甘味は少なく、ほかの豆とブレンドされることもよくあります。インドネシアのジャワ島産アラビカ豆とブレンドしたものは「モカジャバ」と呼ばれる世界最古のブレンドコーヒーです。

アラビカコーヒーの発祥地とも言われるエチオピアには、今も原種に近いコーヒーが残っており、最古の味をいまだに楽しめる、というのも魅力のひとつ。エチオピアコーヒーについて、徹底的に調べました。

エチオピアとは?

アフリカ大陸の東部沿岸に位置するエチオピア連邦民主共和国は、世界最古の独立国ともいわれています。面積は約113㎢で、人口は1億200万人、アフリカの中でも大きな国です。赤道からも近く、コーヒーベルトに位置しますが、国土の大部分が高地のため、年間の平均気温は13度ほどしかありません。

首都アディスアベバの標高は、なんと2,400メートル。雨も多いので浸食が多く、深い谷やガケが多いことで知られます。最後まで独立を保った理由でもありますが、同時にインフラ整備が遅れる原因ともなっています。

コーヒーベルトとは?

コーヒーは寒さに弱く、気温が0度以下になると枯れてしまい、同時に一定の雨量が必要です。そのため、しぜんと一定の区域に栽培が集中します。コーヒー生育の条件に当てはまる、南緯25度~北緯25度のあたりを「コーヒーベルト」といいます。実際に、コーヒー生産量の上位20ヶ国はすべてコーヒーベルト内に位置しています。

エチオピアとコーヒーの深い関係

エチオピアにとってコーヒーは生活の一部です。アラビカ種の原産地とされるエチオピアでは、世界のコーヒー市場において、実に3%というシェアを誇ります。生産されたコーヒーの半分はエチオピア国内で消費されるというから、驚きです。

国民の1,500万人がコーヒー産業に携わり、輸出総額の34%はコーヒーが占めているというデータも。エチオピアにおけるコーヒー産業の存在感がわかりますね。

エチオピアコーヒーの種類

「モカ」と呼ばれることもあるエチオピアコーヒーは、地域により名前が変わり、味も少しずつ違います。なお、地域ごとの品種はエチオピア政府が商標権を所有しているので、安心できますね。

シダモ

シダモという地域でのみ栽培されているアラビカ種コーヒーです。コーヒー豆はワインやチョコレートのようなくすんだ色で、ジャスミンを思わせる花のような香りがあります。シダモでコーヒーをいれると、レモンや柑橘系のような酸味と香りが出ます。

なかでもイルガチェフェ地区で栽培されるものは、エチオピアコーヒーのなかでも最高品質と名高く、ジャムのような甘い香りがするのだとか。

ハラール

現存するコーヒーの中で最古と言われるのが、エチオピア・ハラールです。フルーティでワインのような風味を持ち、今なお世界中で愛されています。豆はシダモより大きく、黄緑色をしており、豆の状態ですでに、強いモカ香を放ちます。

精製工程はほぼ手作業で、コーヒー豆を熟知したプロの職人が腕を鳴らすとか。品質管理も徹底しています。

モカとは?

エチオピアコーヒーは「モカ」と呼ばれることがあり、産地別に「モカシダモ」「モカハラール」などと呼ばれることも。かつてイエメンのモカ港から、エチオピアのコーヒー豆が輸出されていたことがはじまりですが、モカに含まれるのはエチオピアコーヒーだけではありません。

モカ港はそもそも、現在のイエメンの港町。イエメンで栽培されたコーヒー豆も、モカと呼ばれています。しかしイエメンは内戦の影響でコーヒーの輸出が滞っており、現在流通しているモカのうち、9割以上はエチオピア産だそうです。

また、イエメンとエチオピアのコーヒー豆をブレンドして「モカ」として販売しているお店もあります。興味がある方は、お店で詳しく聞いてみてくださいね。

アラビカ種とは?

コーヒーの2大品種と呼ばれる「アラビカ種」と「ロブスタ種」。栽培が簡単なロブスタ種にくらべ、アラビカ種は病気や虫に弱く、栽培が難しいと言われます。しかしその分、味は一流。上品な香りと繊細な味わいは、ロブスタ種と比べ物になりません。

アラビカ種は流通しているコーヒーの7割を占めており、世界中でレギュラーコーヒーとして愛されています。ロブスタ種は味が落ちる分、インスタントコーヒーや缶コーヒーなどの、比較的安い大衆製品用として飲まれています。

エチオピアコーヒーの美味しい飲み方

エチオピアコーヒーは、独特の香りや酸味、甘味が特徴です。深煎りにすると酸味や香りが飛んでしまうので、浅めの焙煎がオススメです。浅すぎると酸味が強すぎて日本人にはなじまないといいますので、中浅~中煎り程度がいいでしょう。エスプレッソには向かないので、普段通りドリップでいれて、ストレートで飲んでみてください。

塩コーヒー

つい最近日本でも話題になった「塩コーヒー」「バターコーヒー」ですが、エチオピアではずっと昔からその飲まれ方をしているのだとか。コーヒーに塩をひとつまみ入れると、華やかな香りがさらに引き立ち、甘味が際立つそうです。

ほかにもエチオピアでは、紅茶と混ぜる「スプリーズ」や、エナーダムというハーブを浮かべて飲むことがあります。さすがコーヒー大国!コーヒーをトコトン楽しんでいるんですね。

カリオモン(コーヒーセレモニー)

コーヒーの原産地であるエチオピアでは、現地の人も日常的にコーヒーを飲む習慣があります。中でも「カリオモン」は、日本でいう「茶道」や、イギリスでいう「アフタヌーンティー」のような、客人をもてなすときの伝統的習慣です。

「カリ」はコーヒーノキの葉、「オモン」は「一緒に」という意味だそうです。エチオピアでは、女性にとって一般常識とされており、ポット、カップ、その他の茶器を実家から代々受け継ぐことも多いのだとか。カリオモンについて調べてみましたので、正式なセレモニーを少しのぞいてみましょう。

①準備

客人が来ると、家の主人が客人の相手をしている間に、妻がカリオモンの準備を始めます。床に花を敷いたり、カップを置く台座を用意しながら、お香を焚きしめます。

②コーヒー生豆を煎る

まずはコーヒー生豆を水で洗います。それから鍋で生豆を煎り、客人に香りをみてもらいます。客人が香りに納得するまで焙煎を繰り返し、OKが出たら豆を細かくすりつぶします。

③コーヒーをいれる

水と一緒に、細かくしたコーヒーの粉をポットに入れ、煮立たせます。沸騰したらカップに注ぎ、客人1人に対して3杯のコーヒーを提供します。1杯目の「アボル」は砂糖を入れて飲み、2杯目の「トーナ」は塩を入れ、3杯目の「バラカ」はバターやカルダモン、クローブなどの香辛料を入れます。

それぞれ、大地や家族に感謝する気持ちを込め、セレモニーをすべて終えるのには2時間もかかるそうです。なお、カリオモンは地域によって細かな作法が異なることもあります。

カリオモンの歴史

古代イスラエル王国の血を受け継ぐとされ、3,000年もの長きにわたって栄華を極めた、世界最古の皇室「エチオピア帝国」。その長い歴史と血筋を誇りとするエチオピアの人々は大変気高いといわれます。

カリオモンは客人をもてなす儀式であり、儀礼であり、常識であり教養です。現地でカリオモンを体験する場合は「ブンナベット」と呼ばれる大衆酒場へ行くと、コーヒーセレモニーを体験できるそうです。

エチオピア人はアイスコーヒーが嫌い!?

エチオピアには「アイスコーヒー」という文化がありません。しかも「冷めたコーヒー=まずいもの」という共通認識があるのだとか。コーヒーを煮出して沸とうさせてはカップに注ぐ、そんなカリオモンで育つ人たちですから、マズイものという以上に、礼儀にかかわることなのかもしれません。

一度カリオモンを体験すると「コーヒーとはこんなに美味しいものだったのか!」と驚いてしまうそうです。

エチオピアコーヒーを飲んでみよう!

コーヒー発祥の地エチオピアは、まさにコーヒー大国というにふさわしい国です。そんなエチオピアのコーヒー、やはり直接味わってみたいですね。きっと、コーヒーが世界で愛される理由がわかるハズ。

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