インスタントコーヒーなどの即席のものから缶コーヒーなどのすでに出来上がっているものも開発されていて、いつでもどこでも気軽に飲める飲み物になってきています。
しかし中には時間をかけて豆から挽いてゆっくり淹れたコーヒーを好んで飲む人も少なくはありません。今、コーヒーは気軽に飲めるものから、豆や淹れ方や挽き方にもこだわって飲む人がどんどん増えています!
豆を挽く際に必要になってくるのがコーヒーミルをいう豆を砕く機械です。
今回はそんなコーヒー愛飲家におすすめのものや、コーヒー初心者の方もより美味しくコーヒーが飲めるために一押しのコーヒーミルをご紹介していきます。
おすすめのコーヒーミル3選
今やどこのコーヒー店でも豆を販売する際には挽き売りを行っています。しかし、それでも愛飲家たちは豆のまま購入し、自宅で自ら豆を挽いてコーヒーを淹れます。
何故そこまでする必要があるかというとコーヒー豆も焙煎された植物であるからです。つまり時間の経過に敏感なものであり、焙煎して時間が経てば経つほど鮮度が落ちます。
同様に挽いてからの時間が経てば経つほど水分を吸ってしまいやすくなり鮮度も落ちてしまいます。
つまりコーヒーミルは、コーヒー豆が最も鮮度の高い状態で、最も美味しく飲むためには必要不可欠なアイテムといっていいでしょう。
手動コーヒーミル
カリタ「ラウンドスリムミル」
画像引用:amazon
強度に優れた炭素鋼カッターを採用しているので切れ味が良く、粒度のムラがほとんどないコーヒー粉にすることが出来ます。インテリアとしても十分に楽しめる商品で、コーヒー豆は最大で35g挽くことが出来て、粉受けは45gの容量があるので安心して使用出来ます。
この商品には帯電防止剤があるので粉受けからフィルターに移す際スムーズに移すことが出来ます。
川﨑合成樹脂「MILLUセラミックステンレスコーヒーミル」【黒染】
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しっとり艶やかな輝きのステンレスミルで、コーヒー豆を挽く際にしっかりと力が入る「シリコーン製グリップ」を装備しています。刃にはセラミックを採用していて金属臭がなくコーヒー本来の風味を損ないません。
セラミック刃は内刃のみ取り外して水洗いが出来ますが錆びることもなくいつまでも清潔に使用出来ます。
電動コーヒーミル
カリタ「ナイスカットG」
画像引用:amazon
ナイスカットミルの後継機でコーヒー愛好家には人気のレトロ感たっぷりの商品です。
粒度の設定は調節ダイヤルを回すことで細挽きから粗挽きまで15段階で細かく調節出来る仕様で、お手入れもこの調節ダイヤルやミル刃を簡単に外し、付属のクリーニングブラシで内部の隅々までキレイに掃除が出来ます。
コーヒーミルを選ぶときのポイント
コーヒーミルにはハンドルを回すことで豆を挽く手動タイプのものとスイッチを押すだけで豆が挽ける電動のものがあります。
純喫茶などのコーヒー店では大きめの電動コーヒーミルを設置しているところが多いです。また個人で購入する場合では電動を好んで使用する方、主導を好んで使用する方に分かれます。
店舗などで使用される業務用は一度に多量の豆を挽く場合も多いことからその多くで電動ミルが選ばれています。
一方個人や一般家庭で使用する場合には個々によって選ばれる理由があります。ここではコーヒーミルを入手する際に選ぶときのポイントをみていきましょう。
電動ミルの特徴
とにかく手軽に本格コーヒーを飲める!
喫茶店などの店舗ではほぼ電動のミルが使用される理由の一つとして短時間でたくさんの豆を一度に挽けるという点が挙げられます。お店では少数の店員で不特定多数のお客さんのオーダーに応えなければなりません。
その際に一回ごとに豆を手動で挽いていたのでは営業ができません。そういった理由で電動ミルは機能性において手動のものよりも優れているということが言えます。
豆の調整も簡単!
電動ミルのもうひとつの機能としては挽いた豆の粒度を調整できる点が挙げられます。挽いた豆の粒度によってもコーヒーの味は変わってきます。
コーヒー豆は細かく挽けば味が濃くなるという特徴があり、基本的に氷を入れて飲まれるアイスコーヒーやイタリア風の濃厚なものを少量飲むスタイルで知られるエスプレッソなどでは細かく挽いた豆が使用される事が多いです。
電動コーヒーミルの粒度の調節はダイアル付きのタイプが主流となっています。粒度調整用のダイヤルが付いていないプロペラ式のものもあるようですが挽いた豆の粒度が揃わないといった理由からあまり推奨されていません。
手動ミルの特徴
インテリアとしても
手動のコーヒーミルといってもその大きさも形も様々なものがあります。筒状の小さなものから、船の舵の様な大きなハンドルが付いたものなどそのデザインも豊富で、中には使用せずにインテリアとして購入する方もいるくらいです。
手動のタイプのコーヒーミルはその価格も様々で、ものによっては安値で購入できるものもあるので、個人宅で購入する分には便利であると言えます。
コーヒーを挽く時間を楽しむ
電動ミルはスイッチひとつで豆が挽き上がりますが手動の場合は最低でも数分間は両手を用いて豆を挽かなければならなくなります。
しかしそれを逆に捉える見方もあり、片手でミルを持ち片手でハンドルをガリガリと音をたてて挽くことこそが手動のミルを購入し豆から挽いてコーヒーを飲むことの醍醐味であるという人も確かに存在します。
確かに即席のコーヒーが存在する現在においても、わざわざコーヒー豆から挽いて飲むという愛飲家が少なからずいるということは、時間をかけて抽出して飲むこととこそがコーヒーそのものの醍醐味であるのかもしれません。
コーヒーミルを使ったコーヒーは本当に美味しい?
コーヒーが好きという方にも、缶コーヒーやインスタントコーヒーをよく飲むという方々も珍しくはありません。
一概にコーヒー好きといっても、あまり「こだわらない」という方も少なくありません。しかし、それでもコーヒー豆から挽いて抽出して飲む愛飲家も確かに存在しています。
そのような方々が存在する理由は、ミルで豆を挽いて飲む本来のコーヒーの美味しさを知っているからです。では何故ミルで豆から挽いたコーヒーが美味しいと言えるのでしょうか。
缶やインスタントのものと何が違うのか
インスタントコーヒーも元々は抽出されたコーヒーに違いはありません。それを乾燥させて粉末状にしたものがお湯を注ぐだけで飲料になる商品として開発されました。
また缶コーヒーは元来は長期保存用食品として開発されたものでコーヒー牛乳などの「コーヒー飲料」や製菓や製パンなどの原料にされていることで「工業用コーヒー」といった分類をされています。
インスタントコーヒーも工業用コーヒーも、元々はコーヒー豆を挽いて抽出されたコーヒーであることには変わりありません。そのコーヒー豆は科学製品ではありません。コーヒー豆は紛れもない自然が生んだ植物なのです。
植物は種から生まれ芽を出します。そして花を咲かせ、やがては枯れていきます。つまりコーヒー豆も同様の「生き物」であることが言えます。魚は新鮮な方が美味しいと言われる様に、コーヒーもまた新鮮な豆を焙煎し挽きたてが最も新鮮であるということです。
何故挽きたてが美味しいのか
コーヒー豆は焙煎する前の状態を「生豆」と呼びますが、生豆の状態でも時間の経過と共に鮮度は落ちていきます。
そして焙煎した場合はその焼き具合によって一日寝かせた方が美味しくなる場合もありますが、基本的には時間が経過してしまったら「焼きたて」ではなくなってしまう訳です。
そして挽いた豆はそれ以上に時間の経過に敏感になってきます。コーヒー豆は挽いた時点から酸化が始まると言われています。
具体的には酸化は表面から起こっていきます。ミルによって粉砕されることにより表面積が増えていくことになります。増えた面積の分酸化のスピードも進んでいくといった仕組みになる訳です。
煎りたて、挽きたて、淹れたてが一番美味しい
ここまでご紹介してきたように、つまりコーヒーを最も美味しく飲むための大前提として、「煎りたて、挽きたて、淹れたて」に尽きます。
まず「煎りたて」のコーヒーを飲むためには焙煎したてのコーヒーを飲むことです。次に「挽きたて」のコーヒーを飲むために必要になってくるのがコーヒーミルです。
引きたてのコーヒーを抽出する時の香りは最も際立つものがあります。美味しいコーヒーを飲む時の最大の演出はこの香り際立つ瞬間といっても過言ではありません。
そして最後に「淹れたて」を飲むことをお勧めします。コーヒーの香りは時間が経過すると無くなってしまいます。淹れたての最も香りの高い時が一番美味しく飲める時です。
コーヒーミルとはそもそもなに?
コーヒーミルとはコーヒー豆を挽くためのものですが、そもそも誰が開発して何処で使われるようになったのでしょうか。
ここではコーヒーミルそのものの詳細について触れていきたいと思います。
コーヒーミルの発祥は?
コーヒーミルは元々はコーヒー豆を粉砕するためのものとして開発されたというよりは、フランスの製粉工場が製鉄作業所の為に機械を改造したことが始まりでした。
1800年代はじめの頃にこの工場はのこぎり等の刃物の製造から特許申請を行い、1840年にコーヒーミルは誕生したと言われていますが、その具体的なきっかけはあまり知られていません。
明確なのはグラインダーと呼ばれる刃を複数枚作動させることで粉砕する仕組みのものから始まったことのみです。
粉砕方式の種類
一概にコーヒーミルといっても、豆の粉砕方式には複数の種類があります。ここではその種類を見ていきましょう。
擂り臼式ミル
円盤または円錐状の空間を利用して、凹凸のあるのこぎり状の刃を固定用と回転用の2枚を組み合わせた方式によるものです。
のこぎり状の刃を使用することから上記のフランス東部で最初に誕生したのはこの形と考えられます。
このタイプのミルは、回転力が比較的弱い手動式には適していますが、刃の回転を上げることにより高温が発生し、コーヒー豆の品質そのものを変えてしまうことが懸念され電動式のミルには向かないという見方がされています。
カッティングミル
擂り臼式とは異なり、いくつもの刃がついた2枚の円盤を向い合わせることによって、刃と刃の間で粉砕する方式です。
この向かい合った円盤の間隔を調整することで挽き上がった豆の粒度を変えることができます。また2枚の刃を向い合せていることで高温が発生しにくい仕組みになっているので業務用のミルとして用いられることが多いです。
ただし粉の粒度を揃いやすいという反面刃の劣化が著しくなり、微粉が発生しやすいことでコーヒー豆に混入されることでその品質を下げてしまう恐れがあることが懸念されています。
そのため定期的なメンテナンスと刃の交換が必要になってきます。このカッティングミルには電動式、小型の手動式もあります。
ミキサーミル
容器の中でモーター式に刃を回転させることで豆を粉砕するフードプロセッサーの原理を用いたミルです。このタイプは豆の粒度は作動時間によって調整します。
カッティングミルと比較して豆に混入した異物などがあった場合にも刃の損傷のリスクは低いといわれている反面、挽いた豆の粒度が揃いにくい点が挙げられています。
このタイプのミルは家庭用の小型なものしか普及されていないのが現状です。その理由としては原型となっているフードプロセッサーの市場規模が日本では小さいことが考えられます。
おすすめのコーヒー豆
コーヒーミルで挽くコーヒー豆は香り高いものです。そのコーヒー豆にも様々な種類があります。ここまではコーヒーミルについて紹介してきましたが、ここでは一般的に販売されているコーヒー豆について少し紹介していきます。
インスタントコーヒーではないコーヒー豆のみで構成されているコーヒー豆を総称してレギュラーコーヒーと呼びます。ここではレギュラーコーヒーの代表的なものを紹介します。
ストレートコーヒー
コーヒー豆は様々な国から輸入されます。国内でコーヒー豆を栽培したというニュースもたまに聞かれることもありますが、残念ながら国産のコーヒーはまだまだ普及には至っていません。ひとつの農園で収穫されたコーヒーのことをストレートコーヒーと呼んでいます。
輸入されるコーヒー豆で最も有名なのはブラジル産ではないでしょうか。日本のコーヒー豆最大輸入国はブラジルです。日本のみならずブラジルは世界一のコーヒーの生産国と呼ばれています。
ただし一重にブラジル産と言ってもブラジル国内でも多くの農園で栽培されています。
代表的なのはサントスというブランドです。その名前の由来はブラジル国内の「サントス港」という港から出荷されたことから名付けられたというユニークなものです。サントス以外ではブルボン農園で収穫される「ブルボン」などがあります。
有名なのは最近では不作により輸入が難しいといわれているジャマイカのブルーマウンテン№1は高価なコーヒー豆として知られています。その他にもタンザニア産のキリマンジャロ、コロンビア産のスプレモなどがあります。
それらのストレートコーヒーはそれぞれ異なる特徴と風味があるので、飲み比べてみて自身の好みに最も合うものを探してもるのも良いでしょう。
ブレンドコーヒー
味と特徴の異なるストレートコーヒーを組み合わせることでひとつの味を構成するのがブレンドコーヒーです。ストレートコーヒーも国や産地によって味が全く異なり、それぞれのコーヒー豆に特徴があります。
酸味の強いものもあればコクや香りの高いものなど、それらを組み合わせることで全く異なるひとつの銘柄が誕生します。
その組み合わせ方も多種多様で、自身の好みに合わせて組み合わせることも可能です。また銘柄たけではなく、焙煎具合の違ったものを組み合わせた物もあります。
そういったことから自身のオリジナルブレンドを作ってみるのも面白いでしょう。
アイス、エスプレッソ用コーヒー
アイスコーヒーやエスプレッソなどに使用されるコーヒー豆は深煎りのものが主流です。イタリア生まれのエスプレッソコーヒーは深入りの豆を細かく挽いて独特の淹れ方で小さなカップで少量飲むスタイルです。
またアイスコーヒーは主に氷を入れて飲むことが多いので、水で薄まっても美味しく飲めるように計算されて深煎りの豆を使用するなど工夫がされています。
コーヒーミルの挽き方
コーヒー豆の挽き方は抽出方法によっても変わってきます。抽出方法というのはいわゆるコーヒーの「淹れ方」で度の器具を使用して抽出するかということです。
挽き方をご紹介する前にここで少しだけコーヒーの淹れ方についても紹介します。
淹れ方の特性を生かした豆の挽き方
最も有名な抽出方法はペーパードリップで、紙のフィルターで濾過してコーヒーを抽出する方法です。器具も準備しやすいところから一般家庭ではペーパードリップでコーヒーを淹れるところが多いと思われます。
ペーパードリップ以外の抽出方法では布フィルターを使用するネルドリップ式や蒸気を利用して抽出するサイフォン式などがあります。
コーヒー豆に特徴があることと同様に、それぞれの抽出方法にも特徴があります。その特徴を引き出すために重要になってくるのが豆の「挽き方」となる訳です。
粗挽き
コーヒー豆は粉砕して粉にした時から酸化が始まります。もっと厳密にいえば酸化は豆の状態でも空気に触れた時点で始まるものですが、粉砕して表面積が増えるほどその速度は上がっていきます。
要するにコーヒー豆は細かく挽けば挽くほど酸化が早くなるということです。
最も挽いた時の粒度が大きいのは粗挽きです。粒の大きさはザラメ砂糖程ですが粒度が大きければそれだけ抽出に時間がかかります。
そのため粗挽きのまめはパーコレーター式等のお湯と豆との接触時間が長い抽出方法に適していると言われています。
中挽き
粒度はグラニュー糖とザラメ砂糖の間ほどになります。この挽き方は布フィルターを用いて濾過するネルドリップ式や、ガラスの器具で蒸気の力を利用して抽出するサイフォン式に適していると言われています。
中細挽き
手動式コーヒーミルを使用した場合には中挽きからこの中細挽きくらいの粒度になるのが一般的です。粒度はグラニュー程度でペーパードリップ式に適していると言われています。
ペーパードリップ式は最も主流な抽出方法であるため、挽いた状態で市販されているレギュラーコーヒーはこの粒度が一般的です。
またコーヒーメーカーなどの器具も抽出の原理はほぼペーパードリップ方式を用いることが多いので、最も重要が多い挽き方であることが言えるでしょう。
細挽き
コーヒー豆は細かく挽けば挽くほど味が濃厚に出ると言われています。
アイスコーヒーなど氷を入れて飲む場合には、水で薄まっても美味しく飲めるように深煎りのコーヒー豆をやや濃いめに抽出される場合が多いのでウォータードリップ式など主にアイスコーヒーを抽出する場合に使用されることが多いです。
極細挽き
最も粒度の細かい挽き方で小麦粉程まで粉砕します。この挽き方はイタリアンエスプレッソという特殊な淹れ方に用いられます。
イタリアンローストという最も深く焙煎した豆を使用し、特殊な器具を用いて沸騰した蒸気圧によって濃厚に抽出するという方法です。抽出されたコーヒーは苦味が強く泡立っているという特徴があります。
小さなカップを用いて少量飲むこの方法はイタリアで生まれたことから「イタリアンスタイル」とも呼ばれています。
現在はエスプレッソマシーンも開発されており、短時間で抽出することも可能になっています。極細挽きはこのイタリアンスタイルにおすすめです。
コーヒーミルひとつで人生は変わる!
それまでインスタントコーヒーしか飲んだことがなかった人が、知人からコーヒーミルをプレゼントされたことをきっかけにコーヒーに興味を持ち始めたという方もいるようです。
普段何も考えずに飲んでいるコーヒーは、実は知れば知る程奥の深いものなのです。コーヒーミルで挽きたてのコーヒーを飲むことでその興味をそそられるきっかけになることがあります。
コーヒー豆はもともとは農作物です。気候など自然界の影響を受けやすく、同じ農園で収穫されたとしてもいつも同じ味とは限りません。
さらに人によって手が加えられます。焙煎方法もそれぞれ違うため、その加減よっては全く違う味になる場合もあります。
コーヒーミルを持つことによってこの段階でのコーヒーに出会う事ができるのです。どのような味にするかはその人次第です。
是非一度コーヒーミルを購入して、その不思議な世界を体験してみてはいかがでしょうか。